8日目 9月4日 晴れのち曇り 走行 71.2k AV13.7k 函館港~大間港→むつ市 【旅館サルビア泊】

本州最北端へ




090401函館ユースゲストハウス_convert_20110917173949
函館ユースゲストハウス

青森側も「晴れ」ということで四日間もお世話になったゲストハウスを出発
小1時間でフェリーターミナルに到着

思ったより大きなフェリーが入ってくる
「ばあゆ」とは、おもろい名前
「インド神話に登場する風の神」だそうだ

090402津軽海峡フェリー函館港_convert_20110917174020
津軽海峡フェリー函館港

090403フェリー甲板_convert_20110917174047
フェリー甲板

今回も自転車は一台、しかし、どこのフェリーも採算取れているのかねぇ

大間まで1時間40分の航海

090404フェリーからの函館山_convert_20110917174120
フェリーからの函館山

函館山は、うっすら雲がかかっている、僕の頭と同じだ

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大間港

青森県下北郡大間町、高い建物が何もない、ノンベンダラリとしている

大間崎へ向かう道に、大漁旗が歓迎

090406大漁旗_convert_20110917174220
大漁旗

連絡していないのにありがたい話、それにしても青空に綺麗だ

大間は、マグロの一本釣りで有名な港
テグスを手で持ち巨大まぐろと津軽海峡で闘う、博打!
映画にもなっていたなぁ・・・

090407本州最北端(大間岬)_convert_20110917174252
本州最北端(大間崎)

港から約3キロで本州最北端、大間崎到着、感激アメアラレ!

ここから国道279号線を経由して、下北半島、東の端「尻屋崎」をめざす

090408沢の黒海岸(国道279)_convert_20110917174317
沢の黒海岸(国道279)

途中から県道266に入るが、雲行きが怪しくなってくるし、風が半端なく強くなってくる

090409県道266東通村_convert_20110917174346
県道266東通村

周りは、何にもない、たまに何の建物かわからないものがあるし、暗くなるまでに帰ってこれるだろうか
アト20キロほどで「尻屋崎」だと思うが・・・往復40キロ・・・

「ヤーメタァ」

予定変更、むつ市へ向かうことに
むつ市街手前で、旅館発見

090410旅館サルビア_convert_20110917174416
旅館サルビア

今日は、ここで宿泊
尻屋崎は明日、再挑戦かなぁ





9日目 9月5日 雨のち曇り 走行 127.8k AV15.1k むつ市→八戸 【東京第一イン八戸アネックス泊】

原発街道を行く




朝、起きると雨
昨日の悔しさも忘れて、あっさり尻屋崎は放棄
八戸を目指すことに

すでに計画ルートから外れていて、八戸へのルートをどうするか
陸奥湾沿いに南下か、先に太平洋側にでるか、
ロードマップで国道338号線に「いつ峠を越えたのか気づかない」との記載に魅力を感じ、先に太平洋側への国道338を選ぶ

090501国道338太平洋側手前_convert_20110917184459
1国道338太平洋側手前

ほんとに「どこが峠か」わからないうちに太平洋側

090502国道338小田野沢_convert_20110917184526
国道338小田野沢

この辺からは、原子力発電関連の施設が多いらしく、高圧線の鉄塔だらけ
広い道路にたまに走る車は、原子力関連企業らしい車ばかりで生活の匂いがしない

海側に広い道路が分かれているが、標識がなく、秘密基地に繋がってそう
こんなのの連続

090503六ヶ所原燃PRセンター_convert_20110917184552
六ヶ所原燃PRセンター

使用済み燃料再処理のPRセンターにお邪魔する
余り利用客がないのに立派な施設だ

090504燃料プール模型_convert_20110917184621
燃料プール模型

核燃料棒のプール模型

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燃料集合体

コレが福島第一原発で溶融した「燃料集合体」、30cm角ぐらいか
人類も「手に余る」ものに手を出したものだ
ドダイ火山列島の小さな島国で、「想定外?」が起こればどうなるかは「想定内」
チェルノブイリやスリーマイルとは、周辺状況がまるで違う!

とか思いつつ、コンパニオンさんの丁重な笑顔に見送られて八戸に向け出発

090506鷹架沼_convert_20110917184719
鷹架沼

すぐに鷹架沼のなかを通ってから内陸方面を通る県道170号線に入る
小川原湖沿いの道だ

090507道の駅「みさわ」_convert_20110917184746
道の駅「みさわ」

13時30分、道の駅「みさわ」着
ここで、八戸市街地の宿を携帯で予約

090508牧場の牛_convert_20110917184814
牧場の牛

途中は牧場が道の両側に広がる
三沢基地をすぎ、再び、国道338号線を走り、八戸手前で海岸沿いの県道19号線へ

090509白石漁港付近_convert_20110917184841
白石漁港付近

このあたりから、注意深く見るとあちこち津波の被害らしき跡が見られる
地元の方と話すと、
「漁港の扉が閉まったけど、この辺は津波で浸かった」
「この県道19号線まで津波が来た」
「ここより北の三沢漁港もやられた」
とのこと

家の土台だけになっている

090510八戸植木_convert_20110917184914
八戸手前

八戸市街地入り口付近の大型店舗も津波が来たとのこと
「ここの緑地帯の植木、枯れてるでしょ、津波で」
確かに枯れている





10日目 9月6日 雨のち晴れ 走行 97.9k AV14.6k 八戸→普代 【普代駅テント泊】

村民救った防潮堤



朝から雨模様
取りあえずマックで朝食

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八戸第三魚市場

八戸漁港も津波被害の跡が残っている

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鮫観光案内所

海岸沿いにある観光案内所もこのとおり
県道1号線で種差海岸に入る

090603種差海岸_convert_20110918230422
種差海岸

天候の具合で荒れているが、普段は美しい景色と砂浜が広がっている

地元の方の話
「テレビで八戸港の映像が流れていたので、すごく街中までやられたように思われているが、港と海沿いの工場がやられたぐらいで、チリ津波の方が被害があった。種差もほとんどやられていないが、この夏も観光客やキャンプなど来ないねぇ」

090604JR八戸線階上駅_convert_20110918230443
JR八戸線階上駅

JRは、この奥の階上駅で八戸へ折り返し運転、先へは不通

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岩手県突入

県道1号から再び国道45号線にでる。この45号が三陸海岸側の幹線道路、たぶん全線復旧しているはず
11時30分、青森県から岩手県に入る

久慈市を堤防沿い走る
中学生の話
「津波はこの堤防越えなかった」
どうりであまり傷跡が見えない
国道45号はいったん山側に入り、再び海に出る手前で忽然と

090606陸中野田手前_convert_20110918230611
陸中野田手前

瓦礫の山が田んぼの間に現れる

090607道の駅「のだ」_convert_20110918230644
道の駅「のだ」

15時30分、道の駅「のだ」到着
今日の宿泊場所は決めていないのでいける所まで行くことに

090608陸中野田_convert_20110918230708
陸中野田

陸中野田に入ると、雑草が生えて、うっかりすると見過ごすが建物跡や田畑跡がいたるところに

090609陸中野田_convert_20110918230730
陸中野田

海岸線の堤防も相当やられている
少し先に「国民宿舎」があるので電話するも、工事関係者で満員
次の普代村は15m水門・防潮堤で津波を防げたらしいので、公園も使えそうと思い普代へ走る

090610三陸鉄道普代駅_convert_20110918230751
三陸鉄道普代駅

17時50分普代駅到着
三陸鉄道普代駅には列車が一台留まっている
「地震直後から、前にも後ろにも線路がやられて動けなくなった。それ以来ずっと留まったまま」だそうだ

プラットホームに上がると、待合所があり泊まるのに都合がよさそう
暗くなってきたので、15m水門防潮堤は明日に





11日目 9月7日 晴れ 走行 84.8k AV12.0k 普代→宮古 【YH末広館泊】

運命を分けた5メートル




090701普代駅プラットホーム_convert_20110919003100
普代駅プラットホーム

待合所の中にテントを張ったので、風も吹かず、蚊に悩むこともなく快適空間!
ありがとうございました。

090702普代村水門_convert_20110919003119
普代村水門

ここから県道44号を下ると「普代村水門」が現れる
「元村長のおかげで15mの水門と防潮堤ができて、普代村は被害を免れた。ここでの犠牲者は「0」だ。津波はこの水門をも超えたが、大雨程度の海水しかこなかった」
「漁港はメチャクチャにやられた。隣の村は見てきたか。国道から海は見えなんだが、松林や建物みんな流されて海が丸見え」


普代村から海への川と堤防横の県道41号を水門が立ちはだかっている
写真は海側から撮影

090703太田名部防潮堤_convert_20110919003139
太田名部防潮堤

海へ出たところの「太田名部防潮堤」
中の民家は無傷

090704普代水門海側_convert_20110919003158
普代水門海側

普代水門海側の土手はご覧のとおり中腹まで津波の痕跡が

090705太田名部漁港_convert_20110919003218
太田名部漁港

太田名部の漁港では、魚の水揚げで活気付いている

090706県道44号線_convert_20110919003253
県道44号線

トンネルの多くは津波にやられていて照明が復旧してなくて、真っ暗
自転車のヘッドランプでは、よく見えない

090707黒崎海岸線_convert_20110919003312
黒崎海岸線

このあたりから、リアス式三陸海岸のハイライトである
黒崎、北山崎、鵜の巣断崖と見せ場の連続
美しく豪快な断崖絶壁がつづく

が、それぞれ横道に入らないと見られない

090708北山崎_convert_20110919003335
北山崎

180mの断崖が重なっている

090709北山崎_convert_20110919003357
北山崎

県道44号から直接、海が見えるところまで来ると、田野畑村だ

相当な被害だ
瓦礫の撤去は進んでいるが、復旧までの道のりは長そう

090710田野畑村_convert_20110919003417
田野畑村

090711田野畑_convert_20110919003438
田野畑村

090712田野畑_convert_20110919003459
田野畑村

090713田野畑平井賀_convert_20110919003520
田野畑平井賀

手前の草むらには、建物の基礎がずっとある

090714田野畑平井賀_convert_20110919003538
田野畑平井賀

090715田野畑島の越駅付近_convert_20110919003557
田野畑島の越駅付近

090716島の越漁港_convert_20110919003625
島の越漁港

ここから県道44号は、峠を上り、国道45号にでる
山中にでると、津波被災地とは、異空間でその落差に戸惑う

三陸最大のハイライトシーン(とツーリングマップに書いてある)、「鵜の巣断崖」へ

090717鵜の巣断崖への道_convert_20110919003649
鵜の巣断崖への道

断崖への横道はのどかだ

090718鵜の巣断崖_convert_20110919003712
鵜の巣断崖

ジャーン!  なんと見事な


090719小本_convert_20110919003731
小本

再び、海に出ると被災地
小本も相当やられて、土台以外なんにもない状態

090720小本_convert_20110919003749
小本

この辺の国道45号線は相当なアップダウン

090721道の駅「たろう」_convert_20110919003809
道の駅「たろう」

13時30分、道の駅「たろう」に到着

次に海に出たところが10m巨大防潮堤の「田老」だ

090722宮古市田老_convert_20110919003829
宮古市田老

ここも、建物の土台のみ

090723田老防潮堤_convert_20110919003849
3田老防潮堤

10m防潮堤、津波はこれを乗り越え、住宅地へ

090724田老防潮堤_convert_20110919003910
3田老防潮堤

防潮堤はX型に建設されている

090725田老防潮堤から_convert_20110919003928
3田老防潮堤から

防潮堤内側は、なにもなしになっている

090726田老ごみ_convert_20110919003948
田老村の被災ごみの山

090727田老観光ホテル_convert_20110919004005
田老観光ホテル

田老の南端にある「田老観光ホテル」三階まで津波でやられている

ここからいくつかの峠とトンネルを抜けると宮古市に入る

090728宮古市街地入口ガススタンド_convert_20110919004023
宮古市街地入口ガススタンド

宮古市街地入り口のガソリンスタンド、無残な姿だ

「このスタンドの前で津波が渦巻いた。横の住宅地は全部ながされてしもた。裏山の神社に逃げようとしたが、そちらから津波が来た」
家の土台を指差しながら「ここで一人、あちらの家が二人、あそこの奥さん行方不明で、海の方ばかり探していたら自宅瓦礫の箪笥の下から見つかった」

090729宮古市街地手前_convert_20110919004041
宮古市街地手前





12日目 9月8日 晴れ 走行 86.0k AV12.1k 宮古→三陸町 【道の駅「さんりく」テント泊】

六ヶ月経過で片付けまだまだ




お世話になった「ユースホステル末広館」
内陸に少し入った宮古駅近くだが、ここにも床上まで津波が来たとのこと

090801YH末広館_convert_20110919064413
YH末広館

090802宮古市街地_convert_20110919064443
宮古市街地

津波被害の住宅や商店が、取り壊されて土台だけに、あちらこちらがなっている

090803宮古信号_convert_20110919064502
宮古市街地

被災地の信号は、六ヶ月経った今も、ほぼ機能していない
さすがに交通量の多い要の交差点は直っているが・・・

重要な所は手信号、それ以外は、ドライバー自己判断

電気は震災後、程なく復旧しているが、信号機を制御するBOXがないのだそうだ
生産が追いつかず、重要なところから順番に直しているとのこと

これは宮古に限らず被災地は、どこも同じだ

090805宮古津軽石_convert_20110919064542
宮古津軽石

ガソリンスタンドの主人
「この辺も津波が来たが、勢いがなく浸かった感じだ。海抜の高さだけでなく、地形や海への向きなどで被害がかわっている」
「津波以降、今年は雑草がすごく育つ、臨場ではない。海のミネラルが入ったのか」

「雑草の勢いが凄い」という話はアチコチで聞いた


宮古を離れ、国道45号線は山側に入り、再び海へ出てきたところが「陸中山田」、10時前に到着

090806陸中山田_convert_20110919064601
陸中山田

ここも被害が凄い
土台だけの敷地で草取りをしているおばさん
「ミサワから嫁いで45年経つが、こんなんで自分の家の場所も迷ってしまう。ほっとくとすぐに雑草だらけ」

090807陸中山田_convert_20110919064619
陸中山田

090808陸中山田_convert_20110919064641
陸中山田

090809陸中山田_convert_20110919064658
陸中山田

090810陸中山田_convert_20110919064716
陸中山田

090811道の駅「やまだ」_convert_20110919064737
道の駅「やまだ」

11時に、道の駅「やまだ」到着
地図では海に近いので心配していたが、ここは無事だ



090812大槌町_convert_20110919064754
大槌町

12時30分、大槌町に入る
どこを向いても、まるで空襲跡だ

言葉もない

090813大槌町_convert_20110919064817
大槌町

090814大槌町_convert_20110919064837

090815大槌町_convert_20110919064856
大槌町

090816大槌町_convert_20110919064919
大槌町

090817大槌町_convert_20110919064940
大槌町

090818大槌町_convert_20110919064959
大槌町

090819大槌町_convert_20110919065021
大槌町

090820大槌町_convert_20110919065043
大槌町

090821県立大槌病院_convert_20110919065101
県立大槌病院

090822大槌町_convert_20110919065124
大槌町


岬ひとつ南の村も

090823釜石市鵜住居_convert_20110919065142
釜石市鵜住居

090824釜石市鵜住居_convert_20110919065204
釜石市鵜住居

090825釜石市鵜住居_convert_20110919065224
釜石市鵜住居

14時5分釜石市街地到着

090826釜石市街地_convert_20110919065246
釜石市街地

090827釜石市街地_convert_20110919065305
釜石市街地

090828釜石市街地_convert_20110919065323
釜石市街地

090829釜石市街地_convert_20110919065339
釜石市街地

090830釜石市唐丹_convert_20110919065406
釜石市唐丹

090831釜石市唐丹_convert_20110919065422
釜石市唐丹


17時30分、道の駅「さんりく」今日の寝床に到着

090832道の駅「さんりく」_convert_20110919065440
道の駅「さんりく」

道の駅駐車場にはトラックが多くとまっている
「もうじき一ヶ月になる、朝になったらトラックで現場に行って瓦礫運んで、夕方にここに戻ってきてトラックで寝る」

あー凄っ!

090833道の駅「さんりく」東屋_convert_20110919065457
道の駅「さんりく」東屋

東屋があると助かります


【後編に続く】




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