8日目 9月4日 晴れのち曇り 走行 71.2k AV13.7k 函館港~大間港→むつ市 【旅館サルビア泊】
本州最北端へ

函館ユースゲストハウス
青森側も「晴れ」ということで四日間もお世話になったゲストハウスを出発
小1時間でフェリーターミナルに到着
思ったより大きなフェリーが入ってくる
「ばあゆ」とは、おもろい名前
「インド神話に登場する風の神」だそうだ

津軽海峡フェリー函館港

フェリー甲板
今回も自転車は一台、しかし、どこのフェリーも採算取れているのかねぇ
大間まで1時間40分の航海

フェリーからの函館山
函館山は、うっすら雲がかかっている、僕の頭と同じだ

大間港
青森県下北郡大間町、高い建物が何もない、ノンベンダラリとしている
大間崎へ向かう道に、大漁旗が歓迎

大漁旗
連絡していないのにありがたい話、それにしても青空に綺麗だ
大間は、マグロの一本釣りで有名な港
テグスを手で持ち巨大まぐろと津軽海峡で闘う、博打!
映画にもなっていたなぁ・・・

本州最北端(大間崎)
港から約3キロで本州最北端、大間崎到着、感激アメアラレ!
ここから国道279号線を経由して、下北半島、東の端「尻屋崎」をめざす

沢の黒海岸(国道279)
途中から県道266に入るが、雲行きが怪しくなってくるし、風が半端なく強くなってくる

県道266東通村
周りは、何にもない、たまに何の建物かわからないものがあるし、暗くなるまでに帰ってこれるだろうか
アト20キロほどで「尻屋崎」だと思うが・・・往復40キロ・・・
「ヤーメタァ」
予定変更、むつ市へ向かうことに
むつ市街手前で、旅館発見

旅館サルビア
今日は、ここで宿泊
尻屋崎は明日、再挑戦かなぁ
9日目 9月5日 雨のち曇り 走行 127.8k AV15.1k むつ市→八戸 【東京第一イン八戸アネックス泊】
原発街道を行く
朝、起きると雨
昨日の悔しさも忘れて、あっさり尻屋崎は放棄
八戸を目指すことに
すでに計画ルートから外れていて、八戸へのルートをどうするか
陸奥湾沿いに南下か、先に太平洋側にでるか、
ロードマップで国道338号線に「いつ峠を越えたのか気づかない」との記載に魅力を感じ、先に太平洋側への国道338を選ぶ

1国道338太平洋側手前
ほんとに「どこが峠か」わからないうちに太平洋側

国道338小田野沢
この辺からは、原子力発電関連の施設が多いらしく、高圧線の鉄塔だらけ
広い道路にたまに走る車は、原子力関連企業らしい車ばかりで生活の匂いがしない
海側に広い道路が分かれているが、標識がなく、秘密基地に繋がってそう
こんなのの連続

六ヶ所原燃PRセンター
使用済み燃料再処理のPRセンターにお邪魔する
余り利用客がないのに立派な施設だ

燃料プール模型
核燃料棒のプール模型

燃料集合体
コレが福島第一原発で溶融した「燃料集合体」、30cm角ぐらいか
人類も「手に余る」ものに手を出したものだ
ドダイ火山列島の小さな島国で、「想定外?」が起こればどうなるかは「想定内」
チェルノブイリやスリーマイルとは、周辺状況がまるで違う!
とか思いつつ、コンパニオンさんの丁重な笑顔に見送られて八戸に向け出発

鷹架沼
すぐに鷹架沼のなかを通ってから内陸方面を通る県道170号線に入る
小川原湖沿いの道だ

道の駅「みさわ」
13時30分、道の駅「みさわ」着
ここで、八戸市街地の宿を携帯で予約

牧場の牛
途中は牧場が道の両側に広がる
三沢基地をすぎ、再び、国道338号線を走り、八戸手前で海岸沿いの県道19号線へ

白石漁港付近
このあたりから、注意深く見るとあちこち津波の被害らしき跡が見られる
地元の方と話すと、
「漁港の扉が閉まったけど、この辺は津波で浸かった」
「この県道19号線まで津波が来た」
「ここより北の三沢漁港もやられた」
とのこと
家の土台だけになっている

八戸手前
八戸市街地入り口付近の大型店舗も津波が来たとのこと
「ここの緑地帯の植木、枯れてるでしょ、津波で」
確かに枯れている
10日目 9月6日 雨のち晴れ 走行 97.9k AV14.6k 八戸→普代 【普代駅テント泊】
村民救った防潮堤
朝から雨模様
取りあえずマックで朝食

八戸第三魚市場
八戸漁港も津波被害の跡が残っている

鮫観光案内所
海岸沿いにある観光案内所もこのとおり
県道1号線で種差海岸に入る

種差海岸
天候の具合で荒れているが、普段は美しい景色と砂浜が広がっている
地元の方の話
「テレビで八戸港の映像が流れていたので、すごく街中までやられたように思われているが、港と海沿いの工場がやられたぐらいで、チリ津波の方が被害があった。種差もほとんどやられていないが、この夏も観光客やキャンプなど来ないねぇ」

JR八戸線階上駅
JRは、この奥の階上駅で八戸へ折り返し運転、先へは不通

岩手県突入
県道1号から再び国道45号線にでる。この45号が三陸海岸側の幹線道路、たぶん全線復旧しているはず
11時30分、青森県から岩手県に入る
久慈市を堤防沿い走る
中学生の話
「津波はこの堤防越えなかった」
どうりであまり傷跡が見えない
国道45号はいったん山側に入り、再び海に出る手前で忽然と

陸中野田手前
瓦礫の山が田んぼの間に現れる

道の駅「のだ」
15時30分、道の駅「のだ」到着
今日の宿泊場所は決めていないのでいける所まで行くことに

陸中野田
陸中野田に入ると、雑草が生えて、うっかりすると見過ごすが建物跡や田畑跡がいたるところに

陸中野田
海岸線の堤防も相当やられている
少し先に「国民宿舎」があるので電話するも、工事関係者で満員
次の普代村は15m水門・防潮堤で津波を防げたらしいので、公園も使えそうと思い普代へ走る

三陸鉄道普代駅
17時50分普代駅到着
三陸鉄道普代駅には列車が一台留まっている
「地震直後から、前にも後ろにも線路がやられて動けなくなった。それ以来ずっと留まったまま」だそうだ
プラットホームに上がると、待合所があり泊まるのに都合がよさそう
暗くなってきたので、15m水門防潮堤は明日に
11日目 9月7日 晴れ 走行 84.8k AV12.0k 普代→宮古 【YH末広館泊】
運命を分けた5メートル

普代駅プラットホーム
待合所の中にテントを張ったので、風も吹かず、蚊に悩むこともなく快適空間!
ありがとうございました。

普代村水門
ここから県道44号を下ると「普代村水門」が現れる
「元村長のおかげで15mの水門と防潮堤ができて、普代村は被害を免れた。ここでの犠牲者は「0」だ。津波はこの水門をも超えたが、大雨程度の海水しかこなかった」
「漁港はメチャクチャにやられた。隣の村は見てきたか。国道から海は見えなんだが、松林や建物みんな流されて海が丸見え」
普代村から海への川と堤防横の県道41号を水門が立ちはだかっている
写真は海側から撮影

太田名部防潮堤
海へ出たところの「太田名部防潮堤」
中の民家は無傷

普代水門海側
普代水門海側の土手はご覧のとおり中腹まで津波の痕跡が

太田名部漁港
太田名部の漁港では、魚の水揚げで活気付いている

県道44号線
トンネルの多くは津波にやられていて照明が復旧してなくて、真っ暗
自転車のヘッドランプでは、よく見えない

黒崎海岸線
このあたりから、リアス式三陸海岸のハイライトである
黒崎、北山崎、鵜の巣断崖と見せ場の連続
美しく豪快な断崖絶壁がつづく
が、それぞれ横道に入らないと見られない

北山崎
180mの断崖が重なっている

北山崎
県道44号から直接、海が見えるところまで来ると、田野畑村だ
相当な被害だ
瓦礫の撤去は進んでいるが、復旧までの道のりは長そう

田野畑村

田野畑村

田野畑村

田野畑平井賀
手前の草むらには、建物の基礎がずっとある

田野畑平井賀

田野畑島の越駅付近

島の越漁港
ここから県道44号は、峠を上り、国道45号にでる
山中にでると、津波被災地とは、異空間でその落差に戸惑う
三陸最大のハイライトシーン(とツーリングマップに書いてある)、「鵜の巣断崖」へ

鵜の巣断崖への道
断崖への横道はのどかだ

鵜の巣断崖
ジャーン! なんと見事な

小本
再び、海に出ると被災地
小本も相当やられて、土台以外なんにもない状態

小本
この辺の国道45号線は相当なアップダウン

道の駅「たろう」
13時30分、道の駅「たろう」に到着
次に海に出たところが10m巨大防潮堤の「田老」だ

宮古市田老
ここも、建物の土台のみ

3田老防潮堤
10m防潮堤、津波はこれを乗り越え、住宅地へ

3田老防潮堤
防潮堤はX型に建設されている

3田老防潮堤から
防潮堤内側は、なにもなしになっている

田老村の被災ごみの山

田老観光ホテル
田老の南端にある「田老観光ホテル」三階まで津波でやられている
ここからいくつかの峠とトンネルを抜けると宮古市に入る

宮古市街地入口ガススタンド
宮古市街地入り口のガソリンスタンド、無残な姿だ
「このスタンドの前で津波が渦巻いた。横の住宅地は全部ながされてしもた。裏山の神社に逃げようとしたが、そちらから津波が来た」
家の土台を指差しながら「ここで一人、あちらの家が二人、あそこの奥さん行方不明で、海の方ばかり探していたら自宅瓦礫の箪笥の下から見つかった」

宮古市街地手前
12日目 9月8日 晴れ 走行 86.0k AV12.1k 宮古→三陸町 【道の駅「さんりく」テント泊】
六ヶ月経過で片付けまだまだ
お世話になった「ユースホステル末広館」
内陸に少し入った宮古駅近くだが、ここにも床上まで津波が来たとのこと

YH末広館

宮古市街地
津波被害の住宅や商店が、取り壊されて土台だけに、あちらこちらがなっている

宮古市街地
被災地の信号は、六ヶ月経った今も、ほぼ機能していない
さすがに交通量の多い要の交差点は直っているが・・・
重要な所は手信号、それ以外は、ドライバー自己判断
電気は震災後、程なく復旧しているが、信号機を制御するBOXがないのだそうだ
生産が追いつかず、重要なところから順番に直しているとのこと
これは宮古に限らず被災地は、どこも同じだ

宮古津軽石
ガソリンスタンドの主人
「この辺も津波が来たが、勢いがなく浸かった感じだ。海抜の高さだけでなく、地形や海への向きなどで被害がかわっている」
「津波以降、今年は雑草がすごく育つ、臨場ではない。海のミネラルが入ったのか」
「雑草の勢いが凄い」という話はアチコチで聞いた
宮古を離れ、国道45号線は山側に入り、再び海へ出てきたところが「陸中山田」、10時前に到着

陸中山田
ここも被害が凄い
土台だけの敷地で草取りをしているおばさん
「ミサワから嫁いで45年経つが、こんなんで自分の家の場所も迷ってしまう。ほっとくとすぐに雑草だらけ」

陸中山田

陸中山田

陸中山田

陸中山田

道の駅「やまだ」
11時に、道の駅「やまだ」到着
地図では海に近いので心配していたが、ここは無事だ

大槌町
12時30分、大槌町に入る
どこを向いても、まるで空襲跡だ
言葉もない

大槌町


大槌町

大槌町

大槌町

大槌町

大槌町

大槌町

県立大槌病院

大槌町
岬ひとつ南の村も

釜石市鵜住居

釜石市鵜住居

釜石市鵜住居
14時5分釜石市街地到着

釜石市街地

釜石市街地

釜石市街地

釜石市街地

釜石市唐丹

釜石市唐丹
17時30分、道の駅「さんりく」今日の寝床に到着

道の駅「さんりく」
道の駅駐車場にはトラックが多くとまっている
「もうじき一ヶ月になる、朝になったらトラックで現場に行って瓦礫運んで、夕方にここに戻ってきてトラックで寝る」
あー凄っ!

道の駅「さんりく」東屋
東屋があると助かります
【後編に続く】

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Thoughts on 【中編】太平洋(苫小牧から仙台)チャリ旅《六ヶ月経った地震津波被災地》
says... こんにちは!
実際にご自身の目で見られた 地震津波被災地は如何でしたか?
こうして画像で拝見していても胸が痛くなりますね。
一日でも早い復興を願わずにはいられません!
苦しい 自転車旅行での目標をクリアされ 本当におめでとうございます
お疲れ様でした。
色んな方々との出会いも合った事でしょうね。
下北半島、私は空から撮影しましたよ♪(^-^)v
7月14日のブログにアップしています
お暇な時にでも覗いて見て下さいね。(o^∇^o)ノ
says... 走りたい衝動に駆られます。
被災地。私が見た4月頃と比較して、地面に雑草が生えたところが変わっただけという印象です。5カ月が経っているというのに・・・・。
YHが営業しているのに驚きました。でも、これは珍しいケースでしょうね?思い切ってテント持参で、走りたい衝動に駆られますが、こんな場所で無理は禁物ですよね。時期を待つことにします。
その間、日本海へ行ってきます。9月30日の深夜バスを予約しました。
says...
信号機が止まってたり標識などがひっくり返ったままだったり・・・。
衝撃的でした。
says... Re: こんにちは!
よしみ70さん、下北半島きれいに写ってますね、鳥海山も懐かしいなぁ!
福島原発で避難されている地域付近までいけなくて残念です。次の機会に話を聞いてこようと思っています
says... Re: 走りたい衝動に駆られます。
あらいぐまさん、雑草は、皆さんおっしゃいます
海のミネラルが入ったからでしょうか?
「手をかけて楽しみにしている草木ほど、枯れる。ほったらかしにしている草木は比較的大丈夫。植えた覚えのないヒマワリが咲いている、津波とともに流れ着いたのかなぁ」
って言われていた女性の言葉に考えさせられます
宮古のYH、一階は海水が来たそうです
今回、三陸でYHはここしか問い合わせしなかったので・・・
日本海、その頃は多分、天候落ち着いているでしょうね
寒さ対策が必要なのかな?
says... 鳩マナブさんへ
信号機が市街地でも、いまだに機能していないのがほとんど
手信号のおまわりさんに伺うと「電気はすぐにきたんですが、信号制御のBOXが入荷しない」のだそうです
『風が吹けば桶屋が儲かる』ではないけど、複雑に関連しているんですね